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株式会社エムエス製作所
人材不足の解消を目的に外国人を採用。
積極的な自社アピールで、高度人材も確保
・清須市
・金型設計・製造 他
従業員数 53名 (本社採用の外国籍社員数 11名) 2018年8月
海外拠点 中国、インドネシア、タイ、メキシコ、インド
管理部 管理課
馬 勝超(マ シェンチャオ)さん
出身国:中国 32歳 入社1年目
名古屋大学大学院文学研究科卒業
担当業務:通関関連業務、翻訳・通訳など
Company message:企業のメッセージ
自社を客観的に分析し、魅力をPR。
公的イベント利用で、採用コストも削減
Foreign Employee:外国籍社員
業種でもブランド力でもなく、
自分のポジションを確立できる職場を選んだ
中国出身の馬勝超さんは、大学院で言語学を専攻。母国語の中国語以外では、日本語、英語に堪能です。同社には、留学生時代のアルバイトで知り合ったハローワークのスタッフから紹介を受け入社しました。
「就職前の5~6年間、将来についていろいろ考えていましたが、働くのであれば、業種や企業ブランドでなく自分のポジションが確立できる会社を就職先に選びたいと思うようになっていました。そんなときに紹介されたのがこの会社。まず、副社長の人柄に引かれましたし、企業としての魅力も感じました。
入社後、設計などに挑戦しようと思ったこともありましたが、副社長から『自身が得意とする専門分野をいかせば良い』とアドバイスされ、今は通訳業務や外国語で書類作成をするほか、社内でインド人に中国語を、日本人に英語や中国語を教えるなど語学をいかした仕事を中心にしています。今後もっと勉強して経験を積み、できるだけはやく一人前になりたいですね」
同社の企業方針のもと、「安心して働くことができている」と笑顔を見せる馬さん。「私はもともと、日本の製造業にあこがれをもっていました。しかし、今の日本の若い世代の人たちにはその魅力が伝わっていないように感じます。そんな中で、この産業が少しでも盛り上がるよう貢献できればと思っています。
それに、愛知県は日本の製造業を支えていると言っても過言ではないと思います。ここでは、自分を磨けば磨くほど、より良いチャンスに巡り会えると感じられます。生活面でも、人口はほどほどで交通も便利、生活しやすいと思いますね」
株式会社エムエス製作所が外国籍社員の採用をはじめたきっかけは、人手不足でした。「中小企業の場合、待っているだけでは人材はなかなか集まりません。『会社が人からどう見られているか』を客観視して手を打っていかなければ、存続するためのバトンを次に渡していけないと思います」こう話すのは、取締役副社長の迫田邦裕さん。
同社には高度な技術を必要とする部署もありますが、採用の際には国籍や出身学部などではなく、「成長したい」という気持ちを重視すると言います。
「優秀な人材を採用するために、自分たちがどんな人を求めているのか、だれにでも分かりやすく外部にアピールするよう努力しています。しかし採用活動に多額の予算をつけるのは難しいですから、愛知県の主催イベントなど公的な機関の催しやインターンシップには、積極的に手を挙げています。
採用時に専門知識がなくても、やる気があり先輩の指導のもとで一つひとつステップアップすれば、技術はしっかり習得できます。現在、外国籍の社員は11名在籍していますが、彼らの働くことに対するモチベーションの高さは驚かされるほど。目の輝きが違います。そんな姿を見て、日本人の僕らが良い方向へと感化されているくらいです。
外国籍社員の採用は言葉や文化の違いなどもあり、はじめこそ戸惑うこともありますが、受け入れを重ねると体制も出来上がり、企業内はもちろん、学生側からのハードルも下がります。またグローバル化が進む企業は、就活中の学生にとっても魅力に映るようで、実際に弊社にも『外国籍の方が在籍する企業で働きたい』と入社希望があり、採用した実績があります。
社員は家族と同じ。弊社では出身に関係なく、皆がファミリーだという認識です。お互いに寄り添いながら、全員が幸せになれる垣根のない環境をつくり続けたいですね」